2023/07/04
真珠には明確なグレード(市場共通の基準)がありませんが、主に価値に影響する要素は「サイズ(大きさ)」「形状」「色(カラー)」「種類」「マキ(真珠層の厚さ)」「テリ(輝き)」「傷」の7つにあります。
これらを基準にした総合評価で、真珠の価値が決まります。
サイズは真珠の価値を決める重要なポイントです。
一般的なサイズは6~9ミリで、9ミリを超えるものは希少価値が高くなります。完璧な真円の真珠は大きさに比例して、採るのが難しくなるからです。サイズが大きいものは、高い評価をしてもらいやすいのです。
一般的に真円に近ければ近いほど需要が高く、高額で取引されています。ですが、真円以外に需要がないわけではありません。ジュエリーとして形の面白さを楽しんだり、鑑賞用として高く評価されることがあります。
それぞれの地域における形の好みも、評価に大きな影響を与えています。日本で好まれているのは球形です。形のバランスがよく、完全な球体に近いものが高く評価されます。
ただし、なみだ型が美しいドロップは評価が高く、イヤリングなどペアで形が揃っていれば、真円以外でも評価が高くなることがあります。
真珠はカラーバリエーションが豊富なため、何色であるかで評価が大きく変わります。人気色はホワイトやピンクで、買取市場でも高値で取引されています。
アコヤ真珠の、ほんのりと柔らかいピンクがかった、「真珠」と聞いて思い浮かべる白色が人気です。一方、黒蝶真珠(くろちょう しんじゅ)といえば、孔雀のような色彩の「ピーコックカラー」が高評価となります。薄く緑がかった光沢を持つグレー系も人気です。
また中には、真珠を育てるときに染料を用い、染色されているものがあります。人工的に色がつけられたものより、自然なものの方が好まれます。一般的に価値が高いのは、やはり自然発色した美しい色のものです。
真珠には形や色など様々な種類があります。採れる場所も海だけでなく、湖で採れるものもあります。採れる場所で細かく価値が決まっていて、評価も変わってきます。
例えば淡水と海水では、海水の評価が高くなります。理由は、淡水での生産は大量にできるという点です。ただ近年では技術の進歩により、淡水で質の高い真珠の生産が可能になっています。大粒のものや、貴重な色のものも作られており、高く評価される淡水産の真珠もあります。
真珠は「真珠層」と「核」からできています。マキとは真珠の核を巻いている真珠層の厚さを指します。真珠を両分すると、その断面は層状になっています。マキが良いというのは、真珠層が厚いということです。
均一でなめらかな表面をもっていると、良質で美しい輝きを発するため、真珠層が厚いものほど高く評価されます。
真珠の輝きと光沢は「テリ」と呼ばれています。真珠の輝き方や表面のなめらかさのことです。テリが良い真珠の表面は、自分の顔が鏡に映っているかのようにハッキリと映ります。逆にテリの弱い真珠は、ボンヤリとくもったように映ります。
真珠表面からの輝きだけではなく、内側から力強い光沢が出ているようなものが価値が高いとされています。
真珠が育つ過程や加工時、所有している間にできた傷が評価されます。表面にヒビや傷がないものが高く評価されます。
ダイヤモンドなどの鉱物と比べると、傷が表面につきやすいのですが、普通に使っている程度で傷がつくことはありません。割れや欠けが発生する確率も低く、これは球体で多層構造のため弾力性があるからだといわれています。とはいえ、固く尖ったものでひっかくと、傷がつくことがあります。大きな傷の場合は、評価は下がってしまいますので、丁寧に扱う必要はあります。
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