2023/10/07
ロレックス ディープシーは、特許を取得した「リングロックシステム」のオイスターケースによって、水深3900メートル(時計には3トン相当の重さがかかることになる)でも問題なく機能する防水性と耐久性を有しています。なお、リングロックシステムは3つの要素から構成されています。
・厚さ5.5㎜の反射防止加工を施したラウンドサファイヤグラス
・水圧に対して高い耐性を備える窒素合金製センターリング
・ハイグレードのチタンを使用した、ねじ込み式の裏蓋
これらのエレメントが耐蝕性の高いオイスターケースに嵌め込まれることで、高い密閉性と耐久性を実現しています。また、ねじ込み式のトリプロックリューズは、ケースの凹部に埋め込まれるようなデザインになっており、文字通り隙のない堅牢な構造になっています。
また、海底へ携行されることを念頭に作られたディープシーの特徴として、ロレックス特許のヘリウム排出バルブを搭載しています。時計内に侵入したヘリウムは、海上と海底の気圧差で膨張し、時計を破裂させる可能性があります。ディープシーのヘリウム排出バルブは、特定の気圧下で自動的に作動し、時計内のヘリウムを逃がします。また、深い水深という特殊な環境下でのディープシーの機能性を保証するため、ロレックスはフランスの潜水会社COMEXによる協力のもと海底の環境を再現し、厳格な品質検査を行っています。
ディープシーのベゼルにはロレックスが特許を取得した素材、セラクロムを使用しています。傷や紫外線に強く、数字と目盛りにはプラチナコーティングが施されています。この逆回転ベゼルはダイバーが潜水時間を計測するのに役立ちます。ベゼル外周に施されたのこぎり状の凹凸は、デザイン性のみならず、ダイバーグローブを付けた手でもベゼルを調整しやすいという効果をもたらしています。
また、ディープシーは海中での視認性に大きな注意が払われています。文字盤に塗布される蓄光塗料クロマライトは、従来の蓄光素材の約2倍の発光時間を誇ります。
ブレスレットにもロレックスの細かな配慮が散りばめられています。高い耐蝕性を誇るオイスタースチール製の3連ブレスレットで、確実な開閉機構としてオイスターロッククラスプが採用され、これは誤った開閉を防止しします。またダイビングスーツの上から着用されることを想定しているため、工具を使わずに20㎜のサイズ調整が可能な「グライドロックエクステンションシステム」を有しています。
名作ディープシーRef. 116660と最新モデルRef. 136660における大きな違いはムーヴメントにあると言えます。
キャリバー3135は1989年に登場して以来、完成度の高いムーヴメントとして、シードゥエラーRef. 116660だけでなく、ヨットマスターやサブマリーナ―デイト、デイトジャストなど数多くのモデルに搭載されてきました。脱進機を構成するテンプ受けが改良されたことにより、前モデルよりも時計の耐久性が向上し、メンテナンスもしやすくなりました。長期間に渡り多くのモデルにも採用された実績からも、このキャリバーの優秀さが見て取れます。
Ref. 136660にはキャリバー3235が搭載されています。キャリバー3235は2017年に登場し、当時のロレックスの最新技術の結晶ともいうべきキャリバーでした。ロレックス特許の最新鋭の脱進機「クロナジーエスケープメント」が採用され、エネルギー効率が圧倒的に向上しました。刷新された香箱やこの優れた脱進機のおかげで、70時間ものパワーリザーヴを実現しています。
また、キャリバー3235は耐磁性という側面においても飛躍的に向上しています。ニッケル リン製の脱進機やブルーパラクロム・ヘアスプリングが時計の心臓部ともいえる振動子に採用されているため、磁場の影響を受けにくく、スマートフォンやタブレット、パソコンなど磁場に囲まれた日常を生きる現代人には心強いスペックといえるでしょう。またこのブルーパラクロム・ヘアスプリングは耐衝撃性においても優れたパフォーマンスを果たしている上に、あらゆる角度で均一な時を刻むことができるため、精度向上に大きく貢献しています。
ロレックス ディープシーは本格的なダイバーズウォッチコレクションであるシードゥエラーの一モデルとして、そして究極のダイバーズウォッチとして誕生した時計です。現行のRef. 136660はキャリバー3235という心臓部のアップデートが心強いモデルですが、一方で技術と利便性が高次元で結実したリファレンスとして高い人気を誇ったのがRef. 116660です。これは2018年に生産を終了しましたが、依然として人気は根強く、中古市場でも価格の上昇をみせています。
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