コラム詳細

2023/10/28

オメガ人気のシーマスター

オメガの創設からその歴史

1848年、時計師ルイ・ブランが時計産業の中心地ラ・ショー・ド・フォンに創立した工房がオメガの原点です。1880年には現在本社が置かれるビエンヌに工場を移転し1985年にレバー脱進機式ムーブ「ラブラドール」を発表しました。1894年にはブランド名の由来となるムーブメント「Ω=オメガ(Cal.19)」を発表。究極を意味するこのムーヴメントは当時最高クラスの精密さを誇り一躍脚光を浴びる事となります。1932年のロサンゼルスオリンピックでは公式時計として採用され、同じ年に人気モデルシーマスターの前身であるオメガマーリンを発表します。余談ですが記憶に新しい東京オリンピックでもオフィシャルタイムキーパーです。

オメガのシーマスター120ジャックマイヨール 2000

先ずは超人気モデルのシーマスターから説明していきましょう。限定モデルのジャックマイヨール 2000、世界で2000本限定のモデルです。

ご存知の方も多いと思いますが、ジャックマイヨールとは伝説ともいわれているダイバーです。49歳の時に人類史上初めて素潜りで100メートルを超える記録をつくりました。マイヨール氏が101mの記録を達成していたときに腕につけていた時計はオメガの“シーマスター120”でした。マイヨール氏は上海生まれのフランス人で10歳のころに日本に来たこともあります。バカンスでやってきた日本(佐賀県唐津市)で初めてイルカに出会います。

その後、マイヨール氏はイルカを愛し、イルカになりたいとさえ思ったそうです。マイヨール氏は、その生涯でイルカとの共存を訴え続けました。このモデルに関してはイルカがデザインされている物が殆どです。

マイヨール氏は映画にもなっていますので、興味のある方は観てはいかがでしょうか。話は時計に戻りますが、こちらのモデルはジャック・マイヨール氏が着用していた“シーマスター120”をベースにすることが多いです。この120という数字は防水120メートルの意味となっています。

他のメーカーやモデルではオーバースペックと言えるような高い防水性を持つものもありますが当時の世界記録と同程度の素潜りでの防止性と、小柄なマイヨール氏の腕に似合う大きさの時計というマイヨール氏をリスペクトした結果生まれた時計と言えるのではないでしょうか。また大きなサイズでない為日本人の腕にも似合うと個人的に思っています。

逸話の多いオメガ

さて、先ほどはシーマスターについてのお話でしたが、オメガほどのブランドですと他にも逸話の多い商品も存在します。その中でもスピードマスターはとくに有名なのではないでしょうか。

オメガのクロノグラフモデル「スピードマスター」は1957年に誕生しました。同社のダイバーウォッチ「シーマスター」のクロノグラフを元に開発されています。当時使用されていたムーヴメントはCal.321です。その後1968年に、スピードマスターのリニューアルが行われ、その際にムーヴメントが変更されています。新たなムーヴメントはCal.861です。

1990年代後半にCal.1861というムーヴメントに変更されます。大きな変更点は無く、ほぼ同一の物です。50年以上前の仕組みが現在でもつかわれています。如何に完成されていた時計かが分かるのではないでしょうか。このスピードマスターはNASAアメリカ航空宇宙局の公式採用時計として有名です。

1969年のアポロ11号の有人月面着陸の際にも使われており月面着陸後のスピードマスターはムーンウオッチの愛称で親しまれています。裏蓋には「FLIGHT-QUALIFIED BY NASA FOR ALL MANNED SPACE MISSIONS」(すべての有人宇宙計画用としてNASAが認証した、「THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON」(着用されて月に行った最初の腕時計)の文字が刻まれています。

オメガはクオーツ時計も人気

オメガのクオーツ時計は、1974年に登場しました。1969年にはセイコーが世界初のクオーツ時計を発表し、多くの時計ブランドがデジタルに移行をしていた時代です。シーマスターを中心に、多彩なクオーツモデルがラインナップされてきました。

時計好きの方はクオーツ時計にマイナスなイメージを持っている方もいらっしゃるのが現実です。しかしオメガのクオーツ時計は、機械式時計に劣らないレベルの作りになっています。とくに有名なのがオメガ シーマスター アクアテラ、コンステレーションではないでしょうか。クオーツ時計は機械式時計よりも精度が高く、維持に手がかからない、コストパフォーマンスが良いというメリットがあります。時計ブランドとして長年その地位と技術力を築いていてきたオメガのクオーツ時計は、高品質。高級機として恥ずかしくない出来栄えであると言えるでしょう。

またこれらのモデルはケース幅が40mm以下の物が多く、日本人の腕に合わせやすいといった特徴もあります。

まとめ

オメガの歴史、モデル、逸話などに関して書き連ねましたが如何だったでしょうか。知らない人がいないのではないかと思えるほどの知名度を誇る人気ブランドのオメガ。歴史も長いので関係する逸話も非常に多く、興味深い物がたくさんあります。時計に興味を持っていただける切っ掛けになってくれればと思います。

 

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