ベゼルとは？

時計の大切な役割なのが、文字盤の周りにあるベゼル。元々ベゼルは指輪などの石を入れ込む土台部分の事であるが、時計の場合はガラス周りのケースの外側部分の事である。

ベゼルには、ダイビング時の経過時間の把握、他国の時間を確認したりする機能がある。
クロノグラフの時はタキメーターの目盛りが刻まれ、ダイバーズやGMTの場合は回転式のベゼルが着けられる等、使用方法によってベゼルの内容は変わってくる。ベゼルは腕時計にとって大切な部分であり、なくてはならない重要なパーツである。

セラミックを使う時計が急増中

ベゼルの素材はプラスチックやのちにアルミニウムが使用されたが、最近の時計のベゼルはセラミックが使用されている。
アルミとセラミックではパッと見の判断は困難を極めるが、最近の時計だとセラミックが使用されている事が多い。稀にそうでない事もあるが、ベゼルに光沢感があれば高確率でセラミックの可能性が高い。

セラミックベゼルの特徴

セラミックベゼルの特徴は、非常に硬いというのが一番の特徴である。ステンレスの3倍以上の硬度があり、非常に傷に強い。この硬さであれば、スクラッチなどの小傷から時計を守る事が出来る。
その一方で、一般的にステンレスより価格は高く、靱性や粘性は金属より劣るので割れやすい素材である。そのため強い衝撃により、欠けたり割れたりする事がある。また加工が困難で、ステンレスのように磨きや再仕上が出来ない点がデメリットとして挙げられる。傷がつきにくいと言っても、乱暴に扱うのはご法度であるので取り扱う場合は注意が必要である。

セラミックは特有の光沢によって輪郭を際立たせ、引き締める効果があると言われている。これまで実用的な時計というイメージがあったROLEXの時計は、セラミックベゼルのおかげで高級感のある印象になっている。ビジネスからパーティーシーンまで幅広く活躍できる。

アルミ製のベゼルは経年劣化により色が薄くなり、目盛りが見にくくなっている物もある。。
その点セラミックベゼルは、経年劣化で色が変わることもなく、焼き物なので紫外線による影響を受けにくい素材である。色落ちしにくいため、高級な印象を長く持続させる事が出来る。
これもROLEXの時計を作る技術者の力があっての物である。世界中の時計愛好家から愛される理由はここにもある。

セラミックベゼルの種類

１　スムースベゼル

スムースベゼルは数あるベゼルの種類の中でも、一番使用されている基本的な作りである。
見た目シンプルな事で文字盤の視認性を確保している。
シンプルなデザインなので、どのような時計にも採用される。時計の良し悪しをそこで判断できるためブランド力がもろに出る部分である。まさに職人の技術力が発揮される部分である。
Ex)エクスプローラーⅠ

２　フルーテッドベゼル

ロレックスのアイコン的な存在と言えるフルーテッドは、縦縞を意味しています。フルーテッドベゼルの近影は山型のカットが幾重にも施工されており、目を離して観察すればそれが縞模様に見えてきます。少し大きめのギザギザ模様は、ゴージャスなゴールドカラーに最適です。
見た目は上品な雰囲気になるため高級感が出るのが特徴である。華やかなシーンで活躍するベゼルで、男性であれば男としての格を上げてくれるベゼルである。若い方にも合うが、ある程度大人の男性が着けるとカッコいいベゼルである。
Ex)デイトジャスト

３　エンジンターンドベゼル

エンジンターンドベゼルは、航空機のエンジンが回転する様子を基にデザインされたことから名前がついた。

パッと見、フルーテッドベゼルによく似ているが、ベゼルの表面をほとんどカットし、連続した山型で成立しているフルーテッドベゼルとは異なり、彫る部分と彫らない部分の連続でデザインが成り立っていることが、特徴である。

表面が滑らかなベゼルに一定の間隔で彫り込みを入れ、彫らない部分が遠目からは棒状に見えるような加工が施されている。

また、フルーテッドベゼルでよく使われるゴールド素材ではなく、ステンレス素材を使用することが多い点も、エンジンターンドベゼルの特徴といえるだろう。
Ex)エアキング

４　宝飾ベゼル

宝飾ベゼルは、その名のとおり、ベゼルにダイヤモンドなどの宝石をセットしたベゼルである。
宝飾のデザインはアイテムに多種多様で、同じ間隔に宝飾を埋め込んだものや、ベゼル全体に宝飾を詰めたものが作られている。
宝飾ベゼルが放つ輝きは、永遠の輝きであり、高級感が漂うシーンにピッタリだ。。
宝飾ベルにより腕時計としての価値がさらに上がるとともに、宝飾品を身に着けている感覚になるだろう。
Ex)デイデイト

５　コインエッジベゼル

コインエッジベゼルは、コインの縁に見られるような、ギザギザ状の装飾が施されたベゼルだ。
フルーテッドベゼルと酷似しているデザインだが、フルーテッドベゼルが連続した山型で成立しているのに対し、コインエッジベゼルでは細いラインが彫られ、丸みを帯びたギザギザである点が特徴的である。
またコインエッジベゼルは、デザインだけではなく、時計の機能的な役割を担う側面がある。
光の反射を抑え、視認性を高める効果が期待できるのでパイロットウォッチやダイバーズウォッチなど、高い実用性を求められる時計に多く採用されている。
Ex)アンティークのデイトジャスト

６　カウントアップベゼル

カウントアップベゼルは、ベゼルに刻まれた目盛りの数字が時計回りに増殖していくタイプのベゼルだ。ベゼルは反時計回りに回転する。
潜水時間の正確なカウントが必須なダイバーズウォッチされ、反時計回りにしか回転しない作りになっているため、『逆回転防止ベゼル』とも呼ばれている。
逆回転防止機能は、ダイバーの安全を守る重要な機能である。ダイバーはダイビング中はこの時計に命を預けるような物と言っても過言ではない。
Ex)サブマリーナ

７　GMTベゼル

GMTベゼルは、両方向に回転し、第2タイムゾーンを表すベゼルだ。
GMTベゼルを搭載した時計は、今自分のいる場所の時間だけでなく、ベゼルによって他の地域の時間を同時に表示できるため、旅行者にとってマストの物である。

一般的に、より視認性を高めるため、GMT針は時針・分針・秒針とは色や形の違う特殊な針が使われている。また午前と午後で色分けされたモデルもあり、その利便性とデザイン性の高さからも人気があるベゼルだ。
Ex)GMTマスター

【まとめ】

以上のようにベゼルには多種多少な用途と種類があり、それぞれの果たす役割が大きく変わってくる。それぞれの用途で使用すれば腕時計はさらに便利なアイテムになる。

またデザインもかなり豊富にあり、ベゼルによって時計の雰囲気が大きく変わってくることもお分かり頂けたと思う。ROLEXは安価な物ではないので、上質でラグジュアリーな雰囲気を醸し出す時計が数多くある。

ベゼルの特徴を理解する事によって、腕時計の魅力がさらにご理解頂けたと思う。腕時計を楽しんで頂ければ幸いである。