2024/02/27
「原石」とは加工する前の宝石のことです。つまり、鉱山などで掘り出してきたそのままの物ということです。サイズや形もそれぞれ異なり、持ち歩くというよりは、オブジェとして観賞用に飾るという目的になると思います。
宝石の価値は希少性によって大きく変わりますが、それと同時にどのような加工がされているかも重要となります。例えばダイヤモンドでは4Cという基準が設けられ、
色(カラー)・透明度(クラリティ)・重さ(カラット)・研磨(カット)の4項目が査定に大きく関わってきます。色・透明度・重さなどは天然物であるため、加工はされませんが、研磨については、職人の技量により、良くも悪くもなってしまいます。4Cとはダイヤモンドの品質を評価する国際基準であり、ダイヤモンドが最も輝くように計算されております。
ルビーであれば、加熱しているか否かで大きく価値が変わります。非加熱のものは当然大きく価値が上がりますが、原石のまま、皆様がイメージするルビーの綺麗な赤色のものは非常に少ないです。結晶が黒味がかっていたり、褐色が混じって色がくすんでいたりしています。
このように、加工の重要性が分かるかと思います。
一般的に、ダイヤモンド・サファイア・ルビー・エメラルド・アレキサンドライトの五種類を「五大宝石」と呼びます。これらはその美しさや希少性から高い価値がつけられており、高額で取引されています。
■サファイア
サファイアは、ルビーと同じコランダムという鉱物からできている宝石です。クロムや鉄、チタンなどの含有割合により無色透明なコランダムが赤く変化したものをルビーと呼び、それ以外のものがサファイアと呼ばれているのです。
■ルビー
ルビーはコランダムという鉱物からできている宝石です。コランダムは本来無色透明な石ですが、クロムという金属元素が約1%混入することで赤く変化します。混入物の種類・濃度の違いで青色や薄いピンクなど多彩な色に変わりますが、赤色以外のものはサファイアと呼ばれ、濃い赤色のものをルビーと呼んでいます。
■エメラルド
エメラルドは、ベリル(緑柱石)という鉱物からできている宝石です。グリーンの美しいカラーが特徴で、古くからジュエリーとして用いられてきました。
■アレキサンドライト
アレキサンドライトは、クリソベリルという鉱物のうち、変色性を示す珍しい変種のことを指します。日光の元では緑色に、灯りの元では赤色に見える不思議な宝石です。
宝石の中でも特に人気が高いダイヤモンドについて説明します。
宝石の代表格とも言えるダイヤモンド。古くから、婚約指輪を始めとするさまざまなジュエリーに用いられてきました。ダイヤモンドは地球上で最も硬い宝石としても知られており、和名では「金剛石」といいます。また、構成元素が純粋な炭素一種類だけというのもダイヤモンドの特徴です。先述のとおり、ダイヤモンドの価値は、米国宝石学会(G・I・A)が定めた国際基準である「4C」によって決められます。色(カラー)・透明度(クラリティ)・重さ(カラット)・研磨(カット)の頭文字を取って4Cと呼ばれます。
■色(カラー)
ダイヤモンドの色味を判定する評価基準です。ダイヤモンドは無色に近いほど評価が高くなり、黄色味が濃くなると評価が下がります。
但し、ダイヤモンドは稀に青、赤、ピンク、緑、紫などの色がついた天然物が発見されることがあります。これらは「ファンシーカラー」と呼ばれ、通常の無色のダイヤモンドとは別のかたちで評価され、希少性を認められます。なお、黄色の場合も色が非常に濃いものであれば「ファンシーカラー」と評価されるものもあります。
■透明度(クラリティ)
ダイヤモンドは透明度が重要視される宝石です。適正な光の元で特殊なルーペを使って石の内部や表面を細かくチェックし、内包物や傷の有無を調べます。クラリティの最上級は「FL(フローレス)クラス」と呼ばれ、このクラスのものには10倍の倍率で観察しても内包物も傷も一切ありません。逆に最下級は「I1,I2,I3(インクルーデット)クラス」と呼ばれ、肉眼で内包物や傷が確認でき、透明度や輝きに影響を与える可能性があるものとされています。
■重さ(カラット)
カラットとは、ダイヤモンドの質量(重さ)のこと。ダイヤの重さと大きさは比例するので、カラット数が大きい=サイズが大きいということになります。」
■研磨(カット)
カットはダイヤモンド加工後の評価です。ダイヤモンドは非常に硬いが故に研磨などの加工が難しく、加工には高い専門技術が必要です。ダイヤモンドを研磨する際は原石の特徴を活かせる様に仕上げの形を決めて、面を取り、輪郭を作っていきます。カットには職人の腕とセンスが如実に表れており、カット後のダイヤモンドの評価を決める大きな要因の一つとなります。カットの評価は5段階あり、上から「Excellent」「Very Good」「Good」「Fair」「Poor」があります。このカットによりダイヤモンドの煌きが決まりますのでグレード評価の重要なポイントとなります。
ダイヤモンドの原石には、その形や性質によって3つの種類が存在しています。
ソーヤブル(Sawable)
メイカブル(Makeable)
ニアージェム(Near Gem)
ソーヤブルは、正八面体の原石でピラミッドのような形をしています。
メイカブルは、不規則でゴツゴツした形の原石です。
ニアージェムは宝石用というよりは、工業用のダイヤモンドの原石で、内部に亀裂が見えていたり、炭素の黒点が見えていたりするものもあります。
ダイヤモンドの原石は、その種類によって査定金額が大きく変わってきます。
3つの種類の中で、最も高額の査定がつきやすいのはソーヤブルです。形が美しく、研磨しやすいこと、また無駄な部分が出にくいことで、高価買取の可能性が高いです。原石の中でソーヤブルは2割ほどしか産出されないなど、レア度も高いために高値がつきやすくなっています。
メイカブルは、原石としては中級レベルですが、磨き方によって非常に美しいダイヤモンドに仕上げられる可能性があります。ただし美しく仕上げるためには熟練の技術が必要で、その分買取価格に影響が出てきます。品質が不安定なこともあり、その価値を正しく見極められるのは、確かな腕を持つ鑑定士のみとなります。こうした鑑定士を見つけることができれば、高価買取の可能性も高くなるでしょう。
最後のニアージェムは、磨いても美しい宝石になる可能性は低く、買取査定金額も低くなりがちです。
これまで様々述べてきましたが、結論は宝石の原石は買取可能ということです。ただし、適切な加工をした宝石は原石よりも輝きが増し、中古の市場において、宝石の原石より好まれ価値が高くなります。ダイヤモンドの原石であっても、宝石として輝かせる手段を持たない場合、あまり価値はつかないでしょう。
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